
ものづくり補助金(革新的製品等開発)は、中小企業が革新的な新製品・新サービス開発に取り組むための設備投資・システム投資等を支援する、経済産業省(中小企業庁)系の代表的な補助金制度です。
2013年の開始以来、製造業を中心に幅広く活用されてきた制度で、2026年度から「新事業進出補助金」と一体化し「新事業進出・ものづくり補助金」として公募が予定されています。
2024年から「革新的な新製品・新サービス開発」が必須となり、申請にあたって求められる水準も高まっています。一方で、原材料高・人件費上昇などを背景に、高付加価値化・新市場開拓につながる成長投資の重要性が増しています。
本ページでは、ものづくり補助金(革新的製品等開発)の申請ポイントと、申請サポート(コンサル)の選び方を、大阪の「中小企業診断士×行政書士×認定支援機関」が分かりやすく解説します。
ものづくり補助金(革新的製品等開発)の概要と申請要件
| 製品・サービス高付加価値化枠(通常枠) |
①申請枠の概要 革新的な新製品・新サービスの開発による高付加価値化 ②補助上限 750万円~2,500万円(大幅賃上げ特例:850万円~3,500万円) ③補助率 中小企業:1/2補助(※最低賃金引上げ特例/再生事業者:2/3) 小規模事業者(製造業:従業員20名以下):2/3補助 ④補助対象経費 機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 |
|---|---|
| グローバル枠 |
①申請枠の概要 (ア)海外への直接投資に関する事業、(イ)海外市場開拓(輸出)に関する事業、(ウ)インバウンド対応に関する事業、(エ)海外企業との共同で行う事業を実施し、国内の生産性を高めるための設備・システム投資を行う申請枠 ②補助上限 3,000万円(大幅賃上げ特例:3,100万円~4,000万円) ③補助率 中小企業:1/2補助(※最低賃金引上げ特例/再生事業者:2/3) 小規模事業者(製造業:従業員20名以下):2/3補助 ④補助対象経費 <製品・サービス高付加価値化枠>の補助対象経費に加え、海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費 |
※実務ルール(添付書類・賃上げ要件・報告義務等)は公募回により更新されるため、最新の公募要領・公募開始後のFAQをご確認ください。
2026年度からは「新事業進出・ものづくり補助金」として公募予定
2026年度以降は、「中小企業新事業進出補助金」と「ものづくり補助金」が統合され、「新事業進出・ものづくり補助金」として公募される予定です。
革新的な製品・サービス開発に加え、新市場(海外含む)への進出を伴う設備投資を、賃上げ・生産性向上につながる成長投資として支援する方向性が示されています。
ものづくり補助金で求められる「革新的製品等開発」とは?
「革新的製品等開発」とは、顧客に新たな価値を提供することを目的に、自社の技術力・ノウハウ等を活かして新製品・新サービスを開発する取組を指します。
重要なのは、設備やシステムの導入そのものではなく、導入した投資を使って「何を開発し」「どんな価値を生むのか」を明確に示すことです。
そのため、機械装置・システム等を導入するだけで、新製品・新サービス開発を伴わない取組は補助対象外となります。
また、同業の中小企業等(地域性が高い場合は同一地域の同業他社)で既に相当程度普及している製品・サービスは、「革新的製品等開発」とは認められにくい点にも注意が必要です。
※2024年以降、本要件が必須となり、生産プロセス改善(生産性向上)のみを目的とする取組は対象外となりました。
省力化投資補助金(一般型)との違い・どちらが適しているか
ものづくり補助金と省力化投資補助金は、どちらも設備投資を支援しますが、申請要件が大きく異なります。
- ものづくり補助金は「革新的な新製品・新サービスの開発」が必須(2024年以降)。
- 一方、省力化補助金は既存工程の省力化(手作業削減・自動化)による生産性向上が必須です。
省力化投資補助金は、さらに方式が2つに分かれます。
| 省力化補助金(一般型) | オーダーメイド設備、または汎用機器の組み合わせにより、高度な省力化・自動化を狙う |
|---|---|
| 省力化補助金(カタログ注文型) | 国が認定した「省力化効果が確認済みの設備」を選んで導入する方式 |
また要件面では、賃上げ義務の有無がポイントです。
| 賃上げ要件あり | ものづくり補助金/省力化補助金(一般型) |
|---|---|
| 賃上げ要件なし | 省力化補助金(カタログ注文型) |
省力化投資補助金については、方式ごとに申請ポイントが異なるため、詳細は以下で解説しています。
・省力化投資補助金(一般型)の申請ポイントはこちら
・省力化投資補助金(カタログ注文型)の申請ポイントはこちら
2026年の申請で押さえておきたい実務ポイント
ポイント①:革新的な新商品開発の具体的内容を明記する
ものづくり補助金は、革新的な新製品・新サービスの開発を通じた成長投資が前提です。
そのため「何を開発し、なぜ“革新的”と言えるのか」を整理したうえで、具体的に計画に落とし込むことが重要です。
- 開発する新商品・新サービスの具体像:仕様/用途/提供方法/設備導入後にできること
- 新規性(普及性の確認):同業・同地域で相当程度普及していないことを、比較対象と根拠を置いて示す
- 革新性(価値の変化点):顧客にとって何が変わるか(性能・品質・工程・納期・サービスなど)を言語化する
- 差別化・競争優位性:代替製品・従来手法との比較で「勝ち筋」を明確にする
- 市場性:ターゲット、販路、価格、販売数量(最低限の売上見通し)まで落とす
これらの論点を軸に、社内での検討や外部専門家との壁打ちを通じて整理し、計画の完成度を高めていくことが重要です。
ポイント②:経営理念・経営戦略・中長期ビジョンに沿った成長戦略を立案する
新製品・新サービス開発は「場当たり的な新商品」ではなく、経営理念・経営戦略・中長期ビジョンに沿った成長戦略として整理することが重要です。
- 理念・ビジョン:今後どの市場で、どんな価値を提供して成長したいか
- 戦略:ターゲット/提供価値/差別化の方向性(なぜ勝てるのか)
- 今回事業:新製品・新サービス開発が、その戦略を実現する“中核施策”であること
- 投資の必然性:設備・システム投資が、実現に不可欠な手段であること
この整理ができると、計画全体のストーリーに軸が通り、投資の妥当性(なぜ今・なぜこの投資)が伝わりやすくなります。
ポイント③:賃上げ要件と補助金返還リスクを押さえる
ものづくり補助金は、補助金交付の前提として賃上げ要件が求められ、未達の場合は補助金の一部・全部の返還が生じ得ます。要件は次の2点です。
- 【A】給与支給総額の年平均成長率+2.0%以上、または
1人当たり給与支給総額の年平均成長率が、都道府県別最低賃金の直近5年間の平均上昇率以上 - 【B】事業場内最低賃金が、地域別最低賃金+30円以上であること
いずれも、3〜5年程度の事業期間を通じて、一時的ではない継続的な賃上げを求める内容です。
そのため、新製品開発や新市場展開によって、付加価値(営業利益+人件費+減価償却費)をどれだけ増やすかを、事業計画の中で具体的に示すことが重要です(ターゲット顧客、価格設定、販売数量、販路、製造コスト・工数の見通し等)。
そして、増加した付加価値・収益を原資として、賃上げ計画(給与総額/最低賃金)を実行していく計画を、具体的に策定する必要があります。
※賃上げ要件の考え方は、補助金の賃上げ要件を徹底解説で整理しています。
ものづくり補助金のコンサルタントの選び方
ものづくり補助金は、「革新的製品等開発(新製品・新サービス開発)」の要件を満たす形で、新規性・革新性・市場性を根拠つきで示す必要があります。
そのため外部支援を検討する場合は、新商品開発の事業設計(ターゲット・価値・価格・原価)と、補助金の要件整理・申請実務を一体で支援できるかが、コンサル選びのポイントになります。
チェック事項
チェック①:新規性・革新性の根拠を示せるか
同業・同地域での普及状況の確認(比較対象の設定)や、代替製品・従来手法との比較が浅いまま文章化すると、要件適合性の説得力が弱くなりやすい点に注意が必要です。
チェック②:市場性(売上・粗利の根拠)まで詰めれるか
ターゲット、価格、販売数量、販路、原価・工数の見通しを詰めずに進めると、計画全体の整合性が崩れやすくなります。結果として、付加価値向上や賃上げ原資の実現性が薄くなることがあります。
チェック③:賃上げ要件・返還リスク、採択後対応の説明が薄い
賃上げ未達時の取扱い(返還等)や、採択後の実務(交付申請・実績報告・効果報告等)まで触れない場合、後工程の負担が企業側に残るおそれがあります。
チェック④:報酬や“採択率”の訴求が強い一方で、支援内容の説明が弱い
報酬や実績は比較材料になりますが、支援範囲(事業設計・根拠づくり・採択後対応)とセットで説明されない場合、採択後の負担やリスクが企業側に残ることがあります。契約前に「どこまで支援してくれるか」を必ず確認しましょう。
チェック⑤:コンプライアンス体制が不明瞭
認定支援機関としての関与範囲や、行政書士法改正(2026年1月施行)後の体制・役割分担の説明がない場合、想定外のリスクを抱える可能性があります。
製造業の新製品開発支援に強い弊社の特徴
クレアストは、大阪・近畿を拠点に製造業向けの設備投資を得意とする「中小企業診断士×行政書士×認定支援機関」です。
繊維・縫製工場、家具製造、自動車内装部品、金属加工、プラスチック成型、印刷加工など、実際の製造現場に入り込んだ経験を踏まえ、机上のプランではなく「現場で実行できる成長投資」をご一緒に設計します。
特徴①:製造業出身のコンサルタントが、貴社のアイデアを事業計画に落とし込みます
ものづくり補助金(革新的製品等開発)では、「革新的な新製品・新サービス開発」が必須であり、新規性・革新性・市場性を根拠つきで示すことが求められます。
一方で、現場では「新商品アイデアはあるが、計画書として整理しきれない」「差別化ポイントや販売の見通しが曖昧で数字が作れない」という壁にぶつかりやすいのも事実です。
当社では、新商品の大まかな構想をヒアリングしたうえで、次の論点を担当者の方と対話しながら具体化し、実現性の高い計画に落とし込みます。
特徴②:中小企業診断士×行政書士×認定支援機関で、要件整理から提出書類まで一貫支援
経営・財務に強い中小企業診断士と、官公署向け書類作成の権限を有する行政書士のダブルライセンスに加え、認定経営革新等支援機関としても国から認定を受けています。
- 中小企業診断士:経営戦略・数値計画・販売戦略を一体で設計し、成長戦略として計画を組み立てる
- 行政書士:官公署への書類作成・代理申請(認められている代理申請に限る)
- 認定支援機関:国の支援スキームに沿った計画整理と、実行段階の助言を行う
といった形で、役割を分担しながら一体的にご支援します。
また、2026年1月施行の行政書士法改正を踏まえ、申請書の前段階となる事業計画書・収支計画書の作成支援に加え、官公署への申請書類(所定フォーマット)の作成についても、行政書士として適切に関与できる体制を整えています。
特徴③:採択後のサポート・賃上げ要件・事業化状況報告まで見据えた伴走支援
ものづくり補助金は、採択後も
- 交付申請・実績報告
- 賃上げ要件の達成(未達時の取扱いを含む)
- 事業化状況報告(フォローアップ)
といったプロセスが複数年にわたり続きます。
クレアストでは、各種補助金申請サポートで培った10年超・250件超の採択支援実績をベースに、計画策定支援にとどまらず、
- 交付申請・実績報告の書類作成サポート
- 賃上げ計画(給与総額/最低賃金)と、売上・粗利計画の整合性チェック
- 事業化状況報告作成サポートや、計画数値モニタリング(別料金となります)
など、補助金を「獲得して終わり」にしない伴走型の支援を行っています。
特徴④:ご要望に応じ、貴社にとって中長期的な戦略実行支援をします
作成した事業計画書は“書類”として保管するだけでなく、変化の速い市場環境の中で、計画に基づき実行し、必要に応じて見直していくことが重要です。
当社では補助金サポートに加え、ご希望に応じて、経営理念・経営戦略・中長期ビジョンを踏まえながら、新製品開発・販路開拓・投資の優先順位づけなどを含む戦略実行のご相談窓口としてもご活用いただけます。
当社の支援実績・支援事例
大阪・関西をはじめ全国の中小企業様が直面する課題に対し、「新製品・新サービス開発」「新市場開拓」まで見据えた計画づくりを支援しています。
当社は2015年から10年以上、補助金の申請サポートに携わっており、これまで250件以上の各種補助金の採択支援実績を有しています。
支援実績については、以下のページに整理しています。
・支援実績一覧はこちら
また、大阪だけでなく、全国の中小企業様の課題に対して最適な解決策を提示し、補助金の活用を含めて支援してきた事例を紹介しています。
・2025年の採択事例(製造業の設備投資|業種・課題・採択ポイント)はこちら
ご相談から申請までの流れ
ものづくり補助金は「新製品・新サービスの事業設計」と「申請要件整理」を同時に進めることが重要です。ご相談からご支援開始までの流れは以下のとおりです。
- step1:お問い合わせフォームよりご連絡ください。差し支えなければ「開発予定の新製品・新サービス/導入予定設備/想定投資額/公募回の希望」を簡単にご記載ください(お電話希望の場合はその旨もご記載ください)。
- step2:メールやお電話で概要をお伺いしたのち、WEB会議(又はご訪問)を開催します(無料)。 その場で「革新的な新製品・新サービスの開発要件」「市場性(売上・粗利の根拠)」「補助対象経費」「賃上げ要件・返還リスク」「口頭審査の有無」など、申請の可否と進め方の方向性を整理します。
- step3:費用・体制をご説明のうえ正式に受任となりましたら、契約手続きへ進みます。
※原則として〆切の1カ月前までのご相談を推奨します(新製品の事業設計・根拠資料の準備に時間を要するため、投資額が大きい場合はさらに早めの着手がおすすめです)。
コンサルサポート体制・報酬
- 着手金:10万円~15万円(税別)
※原則15万円ですが、加点に関連する認定計画(経営力向上計画等)を取得済みの場合は減額いたします。
※不採択の場合の再申請サポートは、原則として追加費用不要です(同一の設備投資計画の範囲内)。 - 成功報酬:補助金額の10%(税別)
※下限80万円(税別)。
※交付申請・遂行状況報告・実績報告までの実務支援を含みます。
※補助金入金までのサポートを含みます。
- 事業化状況報告(必要な場合・オプション):5万円~(税別)/回
※報告の回数・内容は、公募要領・交付決定条件等により異なります。
※2026年行政書士法改正に関する当グループの対応(補助金申請サポート関連)について
最後に(大阪・関西から全国対応)
本ページでは、ものづくり補助金の概要や、申請を検討される際の注意点について整理しました。
クレアストは大阪を拠点とする「中小企業診断士 × 行政書士 × 認定支援機関」として、製造業の皆さまの新製品・新サービス開発や設備投資を、ただ申請サポートするだけでなく、中長期の経営視点からご支援しています。
大阪府外の製造業の皆さまからのご相談・ご依頼も多く、全国対応でオンライン相談にも対応しております。
「自社の計画が“革新的な新製品・新サービス開発”として要件を満たしそうか知りたい」
「市場性(売上・粗利の根拠)や事業設計の整理から相談したい」といった段階でも構いません。
ご不明な点がございましたら、下記のフォームよりお問い合わせください。
ものづくり補助金に関するよくある質問
- ものづくり補助金は年に何回公募がありますか?
- 近年は年3~4回程度、公募が実施されています。 公募回数や時期は年度により変動するため、最新情報は公式の公募スケジュールをご確認ください。
- 審査は書面だけですか?口頭審査はありますか?
- 一定の基準を満たした事業者を対象に、オンラインによる口頭審査(Zoom等)が実施されることがあります。 所要時間は30分程度が想定されます(公募回により運用が異なる場合があります)。
- 口頭審査に外部専門家(コンサル等)は同席できますか?
- 同席は認められていません。審査は申請事業者自身(法人代表者)が対応するルールです。 当社では、口頭審査の想定問答・説明の組み立てなど、事前対策のサポートを行っています。
- 採択率はどのくらいですか?
- 採択率は公募回ごとに変動しますが、2024年以降は概ね30%前後で推移しています。 最新の採択結果は公式サイトをご確認ください。
- 丸投げ(全部お任せ)で申請できますか?
- 申請企業が主体となって事業計画を策定することが前提のため、「丸投げ・代行」はできません。 当社では、ヒアリングを通じて事業設計(ターゲット・提供価値・価格・原価等)を整理し、事業計画書へ落とし込むなど、 貴社が主体となって取り組む形で申請を伴走支援いたします。
- GビズIDを渡して、代わりに操作してもらえますか?
- 自社のGビズIDのログイン情報を外部専門家へ共有することは規約上NGです。 当社では、WEB会議(画面共有)により、入力方法をサポートしています。 また、採択後の手続きの一部については、委任契約に基づき行政書士として対応できる範囲がある場合もあります。
- 賃上げ要件を達成できなかった場合、返還リスクはありますか?
- ものづくり補助金では、事業化状況報告を5年間提出する義務があり、未提出や虚偽報告等は返還リスクとなり得ます。 賃上げに関する要件・加点の扱いは公募回により変動するため、申請前に「無理のない計画」を立てておくことが重要です。
- ものづくり補助金は代理申請や申請代行ができますか?
-
本人申請が原則です。
・「補助金の代理申請・申請代行・申請サポートの違い」で詳しく解説しています。
執筆者情報
成田 将之
中小企業診断士 / 行政書士
クレアスト株式会社 代表取締役(認定経営革新等支援機関) / 大阪中小企業診断士会 理事 / 大阪府中小企業診断士協会 会員 / 大阪府行政書士会 会員。
製造業の技術営業職を経て2015年に独立。 中小企業診断士としては、ものづくり製造業やIT企業を中心に、 経営コンサルティングや公的制度活用(補助金申請や各種認証取得等)で事業成長を支援。 行政書士としては、就労ビザ・経営管理ビザの申請代行(取次)を得意としている。 会社案内はこちら





