事業再構築補助金13回の公式チラシ

※出典:経済産業省 中小企業支援チラシ
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事業再構築補助金は、2021年に新型コロナウイルスの影響で売上が減少した企業を支援する目的で創設され、事業転換や新分野進出などを支援する制度として最大1億円の補助金が支給されてきました。しかし、行政レビューを経て制度が見直され、2025年3月が最終公募となります。
※今後は後続版として「中小企業新事業進出補助金」が新設され、企業の成長と新規事業への挑戦を支援する新たな制度に移行する予定です。

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた中小企業等が、事業転換や新分野進出、業種転換、事業再編などを通じて事業の再構築を図ることを支援する制度です。2021年に創設され、補助率1/2~2/3で最大1億円の補助金が支給されることが特徴です。これにより、企業の生産性向上や地域経済の活性化を目的としてきましたが、2025年3月をもって最終公募となります。

最終回(13回)のスケジュール

  • 公募開始日:2025年1月10日(金)
  • 申請締切日:2025年3月26日(水)
  • 採択発表:2025年6月下旬~7月上旬頃(予定)

主な事業類型の概要

事業類型補助上限補助率
成⻑分野進出枠(通常類型)
・ポストコロナに対応した、成⻑分野への⼤胆な事業再構築にこれから取り組む事業者向け
・国内市場縮⼩等の構造的な課題に直⾯している業種・業態の事業者向け
【従業員数20⼈以下】
1,500万円(※2,000万円)
【従業員数21〜50⼈】
3,000万円(※4,000万円)
【従業員数51〜100⼈】
4,000万円(※5,000万円)
【従業員数101⼈以上】
6,000万円(※7,000万円)
(⼀部廃業を伴う場合2,000万円上乗せ)
※短期に⼤規模な賃上げを⾏う場合
中⼩1/2(※2/3)
中堅1/3(※1/2)
※短期に⼤規模な
賃上げを⾏う場合
成⻑分野進出枠(GX進出類型)
・ポストコロナに対応した、グリーン成⻑戦略「実⾏計画」14分野の課題の解決に資する取組をこれから⾏う事業者向け
・中⼩
【従業員数20⼈以下】
3,000万円(※4,000万円)
【従業員数21〜50⼈】
5,000万円(※6,000万円)
【従業員数51〜100⼈】
7,000万円(※8,000万円)
【従業員数101⼈以上】
8,000万円(※1億円)
・中堅1億円(※1.5億円)
※短期に⼤規模な賃上げを⾏う場合
中⼩1/2(※2/3)
中堅1/3(※1/2)
※短期に⼤規模な
賃上げを⾏う場合
コロナ回復加速化枠(最低賃⾦類型)
・コロナ禍が終息した今、最低賃⾦引上げの影響を⼤きく受ける事業者向け
【従業員数5⼈以下】500万円
【従業員数6〜20⼈】1,000万円
【従業員数21⼈以上】1,500万円
中⼩3/4(※2/3)
中堅2/3(※1/2)
※コロナで抱えた債務の借り
換えを⾏っていない者の場合

※出典:経済産業省 中小企業支援チラシ

共通要件

事業再構築補助金の共通要件

A:事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業である
B:事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること
C:補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均成長率3~4%(事業類型により異なる)以上増加 又は 従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率3~4%(事業類型により異なる)以上増加

「A.事業再構築」の定義とは

  • 新市場進出(新分野展開、業態転換)・・・新たな製品等で新たな市場に進出する
  • 事業転換・・・主な「事業」を転換する
  • 業種転換・・・主な「業種」を転換する
  • 事業再編・・・事業再編を通じて新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業転換、又は業種転換のいずれかを行う
  • 国内回帰・・・海外で製造等する製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備する

※参考:経済産業省:事業再構築補助金より

主な変更点と留意点

(ア) 事前着手制度の廃止

第12回まで存在していた事前着手制度が完全に廃止されました。これにより、交付決定前に着手した事業は補助対象外となります。事業の計画やスケジュールは、交付決定後に着手できるよう慎重に設計する必要があります。

(イ)補助対象の事業類型の変更 ※サプライチェーン強靭化枠の廃止

「サプライチェーン強靭化枠」は、特に高額補助が期待できた類型でしたが、今回廃止され、同枠を活用していた事業者も他の枠組みでの対応が求められます。これらの廃止は、補助対象類型の再編成と制度の見直しを示しており、申請者には新たな条件での準備が必要です。

(ウ)「専ら補助事業で使用」すること

補助事業で取得した資産は、原則として事業計画書に記載された補助事業にのみ使用する必要があります。既存事業や計画書に記載されていない事業で使用した場合、目的外使用とみなされ、残存簿価相当額を国庫に返納する義務が生じます。「専ら補助事業で使用」とは、新規事業として計画書に明記された内容に限定されることを指します。既存事業や他の用途に転用した場合、補助金返還自由になるため、用途には十分な注意が必要です。

(エ)採択後に補助対象経費の精査(減額や全額対象外になることも)

対象経費は採択後に精査されるため、採択結果が申請した金額全額に対する補助金交付を保証するものではありません。採択後は「補助金交付申請」を行い、事務局が補助対象経費として適切かどうかを確認します。この精査の結果、交付決定額が申請額より減額される場合や、全額が補助対象外と判断される場合もあります。そのため、事業計画作成時には対象経費を十分に精査し、適切な計上を行うことが重要です。

(オ)収益納付が発生する場合がある

事業再構築補助金では、補助事業の成果として収益が発生した場合、一部を国庫に納付する義務が生じる場合があります。一方、後継版である中小企業新事業進出補助金では、収益納付が発生しないと明記されています。この違いを十分に理解し、補助金を活用する際には事業計画の収益見込みとその適切な運用を慎重に検討することが求められます。

コンサルタントから補助金サポートを受ける際の注意点

注意点①:事業者(申請企業)が主体的に取り組む計画を策定すること

申請時に提出する事業計画書は、事業者(申請企業)が自ら主体的に計画し、実行に移す姿勢が大前提です。事業再構築補助金の目的は、コロナ禍の影響を受けた企業が新分野進出や事業転換を通じて事業を再構築し、生産性向上を実現することにあります。事業計画は、企業自身が自社の課題や成長戦略を踏まえた上で、外部専門家の助言・アドバイス等を受けながら策定するものです。コンサルタントは、補助的な役割を果たす存在であり、主体性を持った取り組みが必要です。

注意点②:申請代行・代理申請・丸投げはNG

事業再構築補助金では、コンサルタント(中小企業診断士)や行政書士などに申請を丸投げすることは認められていません。申請には事業者自身のG-BIZ IDを使用して電子申請を行う必要があり、このログイン情報を外部専門家に共有することは禁止されています。コンサルタントは、事業計画書の策定や加点項目に関するアドバイスを行う補助的な立場です。事業者が申請プロセスに主体的に関わり、自らの手で申請手続きを完了させることが求められます。

注意点③:サポート内容をしっかり確認する

事業再構築補助金に関するコンサルタントのサポート内容は多様であり、申請を検討する際には以下の点を確認することをおすすめします。

  • 成功報酬の範囲:採択発表までのサポートか、補助金入金までの実績報告・交付申請を含むか。
  • 電子申請サポートの充実度:システム入力方法やWEB会議を通じたアドバイスが提供されるか。
  • 補助金入金後のサポート:事業化状況報告や報告義務が5年間続く中で、これらをサポートや伴走支援が可能か。
  • 追加費用の有無:どこまでが成功報酬に含まれるのか、不採択時のフォローがあるかどうか。

事前にこれらを確認しておくことで、申請後のトラブルや予想外の費用発生を防ぎ、安心して申請手続きに臨むことができます。

最後に ※大阪から全国対応可

今回は、事業再構築補助金の概要や、コンサルタントのサポートを受ける際の注意点について解説しました。当補助金は、2025年3月で最終公募となるため、検討中の企業は早めの準備をおすすめします。弊社では中小企業様を対象にした補助金申請サポートを行っています。詳細については、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。