2024年12月17日に令和6年度補正予算(2025年実施分)が成立し、中小企業向け経済対策(補助金等)の概要が発表されました。従来から大幅に改正され、新規補助金が複数新設されました。複雑化していますので、最初に一覧表にまとめた上で、どの補助金を活用すればよいかをQA方式で解説しています。

2025年度 中小企業施策(補助金)の一覧表

名称 補助金額 補助率 概要 留意点
ものづくり補助金 【従業員5名以下】
上限750万円
【6~20名】
上限1,000万円
【21~50名】
上限1,500万円
【51名以上】
上限2,500万円
1/2~2/3補助 新製品・新サービスの開発に必要な設備投資等を支援
設備(ソフトウェア)等が補助対象(建物は対象外)
既存アイテムの生産性向上は対象外。新製品・新サービスが必要。(24年から)
基本要件未達で補助金返還義務発生(25年から新要件有)
年2回程度募集し、初回は2025年1月~2月公募、3月~4月締切予想
中小企業省力化投資補助金 【カタログ注文型】
上限200~1,000万円
(300~1,500万円)

【一般型】
上限750~8,000万円
(1,000~1億円)
※一般型は、24年ものづくり補助金オーダーメイド枠と同等イメージを想定
※カッコ内は大幅賃上げ特例適用時
【カタログ注文型】
1/2補助

【一般型】
1/2、小規模・再生2/3
【カタログ注文型】
人手不足解消に効果のある汎用製品をカタログ登録したものが補助対象

【一般型】
業務プロセスの自動化・高度化、DX化等、中小企業個別のカスタマイズ機器等。
【カタログ注文型】
カタログ登録されている設備であることが必須人手不足の理由は必要(①残業時間月30時間超、②従業員前年対比5%以上減少、③採用活動を実施等)
随時公募。
※賃上げ義務はなし(予定)

【一般型】
汎用機器ではなく、カスタマイズ機器(オプション仕様等)、ソフト+ハードウェアが対象。
年2回程度募集し、初回は2025年4月頃予想
※賃上げ義務はなし(予定)
中小企業成長加速化補助金 最低5,000万円~上限5億円
※最低投資額1億円以上
1/2補助 売上100億円を目指す成長志向の中小企業
設備(ソフトウェア)等に加え、建物も補助対象
賃上げ要件あり
初回は、2025年3月公募、6月締切(記載あり)
中小企業新事業進出補助金
※事業再構築補助金の後続版
上限2,500~7,000万円 1/2補助 既存事業とは異なる事業に挑戦するための設備投資(グローバル枠を除く)。
事業再構築補助金の後続版に近い
設備(ソフトウェア)等に加え、建物も補助対象
賃上げ要件あり。未達の場合、未達成率に応じて補助金返還あり(記載あり)
想定採択率は15%程度(記載あり)
2025年4月頃から公募開始の予想

※下記の画像(チラシ)をクリックすると拡大します(再クリックで戻る)。

<ものづくり補助金>

<省力化投資補助金>

<成長加速化補助金>

<新事業進出補助金>

どの補助金を活用するか検討するにあたって

2025年度ものづくり補助金の変更点はなんですか?
主な変更点は、①「革新的な製品・サービスの開発」が必須であること(24年度から)、②新基本要件の新設(要件未達の場合、返還義務あり)、③年2回程度の公募(基金化の見直し)、④補助事業実施期間(設備導入までの期間)の短縮、⑤書面審査に加え、口頭審査を受ける場合ありの5点が挙げられます。
ものづくり補助金で、既存アイテムの生産性向上を目指す場合、対象になりますか?
2023年までは、既存アイテムの生産性向上、つまり「生産プロセス・サービス提供方法の改善」目的も補助対象でしたが、2024年から補助対象から外れました。そのため、「革新的な製品・サービスの開発」が必須となり、新商品、新サービスの開発が求められるようになりました。
※新商品・新サービスとは必ずしも自社商品でなくてもよく、OEM製品の部品・パーツでもよいと判断しています。
※例えば、通常枠は(ア)CAD/CAM導入によるオーダー品やオリジナルアイテム(鞄・財布・雑貨等)の開発(従来品より高品質)、(イ)3DCADデータによるバーチャルサンプル製作サービス、(ウ)AIカメラ搭載裁断機の導入による高級ブランド衣料品の複雑柄合わせ案件の受注獲得等が考えられます。
但し、業界内で相当程度普及しているものは対象外になるため、一定の革新性は求められます。

一方、既存事業(衣料品)の生産性向上の場合は、中小企業等省力化投資補助金(カタログ枠・通常枠)に該当する可能性があります。
中小企業等省力化投資補助金のカタログ注文型と通常型の違いはなんですか?
【カタログ注文型】は、カタログ登録されている設備(自動裁断機等)であることが必須ですが、省力化の実現により生産性向上に繋がれば補助対象になります。
【通常型】はカタログ登録は不要ですが、業務プロセスの自動化・高度化、DX化等、中小企業個別のカスタマイズ機器である必要があります。※通常枠は2024年ものづくり補助金のオーダーメイド枠の後続版という位置づけです。
※例えば、3DCADシステム及び自動裁断機を導入。自動裁断機のオプションはカメラ、プロジェクタ、ペン描画等を選び、申請企業が抱える経営課題に対応し、省力化・DX化を推進する取り組みの場合は対象になる可能性が高いです。
高度でない(オプション等を殆ど付けず、省力化・生産性向上の色が強い)設備投資は【カタログ注文型】、高度な設備投資に該当する場合は【通常型】を検討する形になります。
新設された中小企業成長加速化補助金について教えてください。
最低投資額が1億円以上(1/2補助なので最低投資額5,000万円)で、年商100億円を目指すことに挑戦する企業向けの補助金です。
①工場や物流拠点等の新設・増築、②イノベーション創出に向けた設備投資、③自動化による革新的な生産性向上等を目的とした投資が対象で、建物・機械装置・ソフトウェア等が補助対象となります。
事業拡大志向や勢いのある会社様向けの補助金です。
新設された中小企業新事業進出補助金について教えてください。
中小企業新事業進出補助金は、事業再構築補助金の後続版の位置づけで新設されました。既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等に対する補助金です。建物・機械装置・ソフトウェア等が補助対象となります。
※例えば、(ア)アパレル衣料品の加工技術を活かして、新たに医療品分野の製造に挑戦、(イ)布帛製品の加工技術を活かして、高付加価値ニット製品市場への参入、(ウ)衣料品卸売販売業のノウハウと人脈を活かして、製造分野への参入等が考えられます。
全国平均の採択率はどれぐらいですか?またどれぐらいになると予測していますか?
①ものづくり補助金は30%代(前年同等)、②中小企業省力化補助金【カタログ注文型】は比較的高く(この中で最も高く)、【一般型】は30%前後(前年のもの補助オーダーメイド枠と同等)、③中小企業成長加速化補助金は15~25%程度(最低投資額5億円の大規模投資補助金よりもやや高い)、④中小企業新事業進出補助金は15~20%程度(採択件数1,500件/回・応募想定件数1万件/回と明記されています)と予測しています。
貴社の実績・採択率はどれぐらいですか?
支援実績ページをご参照ください。留意点として、2025年からは、良い事業計画書を策定することに加え、これまで以上に申請される企業様の独自性や革新性があるか、事業計画の実現性・実効性はあるか、近年の財務状況や実績等はあるか等を重視する傾向にあります。
補助金は国の税金を活用した事業であるため、日本の経済成長に繋がるかという観点でも審査されます。コンサルタントの選定も非常に重要ですが、申請される企業様の事業内容や取り組み姿勢(丸投げは当然NG)も厳格化しておりますので、ご留意くださいませ。
どの補助金を活用したらよいか相談したいが対応してもらえますか?
はい。ご依頼いただく前にWEB会議にてヒアリングさせて頂いた上で、ご提案させていただきます。安心して申請する補助金をご検討いただいた上でご判断して頂ける体制を取っております。

ご相談~ご依頼までの流れ

  1. step1:営業ご担当者様又は申請企業様より、メール(又はお電話)にてご連絡ください。
  2. step2:WEB会議の日程調整をさせて頂いた上で開催し、ヒアリングや相談対応をお受けさせていただきます。ご希望があれば複数回開催も可能です(費用はかかりません)。
  3. step3:費用・サポート体制等をご説明させて頂いた上で、正式に受任が決定しましたら、契約書等を郵送させていただきます。※ご依頼は、原則〆切の1カ月前までにお願いいたします。投資額が大きい場合はそれ以上の準備期間が必要ですのでお早めにご連絡をお願いいたします。

ご依頼後のサポート体制

  1. step1:WEB会議を中心に、基本要件や加点項目の説明及び、事前に取得しておく必要がある書類の作成サポートを実施。※必要に応じてご訪問させて頂く場合もございます。
  2. step2:申請企業様の事業計画案のヒアリング及びアドバイスを重ね、各種書類作成及びサポート。※複数回会議を実施させていただきます。この準備期間に1か月程度頂きたく存じます。
  3. step3:申請は申請企業様にて行っていただきます(外部専門家による申請はNGとなっています)。最後まで申請完了できるようWEB会議にて丁寧にご説明させていただきます。

コンサルサポート体制・料金

料金 ※中小企業省力化投資補助金【カタログ注文型】は除く。
着手金 15万円(税別)
※推奨する加点項目の認定取得サポート費用込み。
※万が一、不採択の場合は追加費用なしで、再申請サポートいたします(同一メーカーの設備に限る)
成功報酬 10%(税別)
※下限75万円 ※投資額3,000万円超の高額投資の場合は別途お見積り
補助金入金手続きまでの採択後サポート
(交付申請~実績報告まで)
無料(成功報酬に含む)
事業化状況報告
※オプション支援です。自社で実施し不要な場合は費用発生しません。
5万円(税別)/回
※5年間(全6回)

※オプション支援(事業化状況報告サポート)はご希望の場合のみです。
※事業計画の実行支援(基本要件を満たすための支援)・伴走支援が必要な場合の対応も可能です(別途お見積り)。
※中小企業省力化投資補助金【カタログ注文型】は除きます。別途設定いたします(着手金はなしの予定)。
※その他、ご状況によって異なることがあります。(個別お見積りいたします)

ご準備いただきたい書類

(準備中)